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Channel: January 2014 - Paris Perfect
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『技術革新と不平等の1000年史』(ダロン・アセモグル&サイモン・ジョンソン著、早川書房、2023年12月25日発行)

「技術的失業」1930年代にケインズが作った用語。1960年代は25-54歳のアメリカ人男性で労働市場から締め出されていたのは6%程度だったが、今日では12%程度になっている。非大卒男性が実入りの良い仕事に就くのは困難になっている。生産性バンドワゴン。労働者の生産性と限界生産性が両方高くならないとバンドワゴンは起きない。オートメーションは限界生産性を下げる可能性がある。1850年代後半、エジプトのス...

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『王墓の謎』(河野 一隆著、講談社現代新書、2024年5月20日発行)

なかなか雄大な構想を提案する書だ。王墓の時代の死生観は、生死=時間が循環するのに対して、王墓消滅時代には、時間が直線的に流れるという点が面白い。  

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『弱い円の正体 仮面の黒字国・日本』(唐鎌 大輔著、日経プレミアシリーズ、2024年7月8日発行)

2023年日本の経常収支は21兆3810億円だったが、それは第一次所得収支が34兆9240億円と史上最大だったため。貿易サービス収支は大きな赤字。第一次所得収支は大部分が投資収益である。2022年でみると第一次所得収支の受取50.0兆円で、その内訳は証券投資収益18.6兆円(利子と配当金)、直接投資収益27.5兆円(再投資収益、配当金、利子所得など)、その他投資収益3.9兆円。第一次所得収支は大部分...

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『オニールの成長株発掘法 第4版』(ウィリアム・J・オニール著、パンローリング発行、2022年6月5日発行)

オニールの方法は強気相場での手法のようだ。また大化け銘柄を発掘することを強調している。C:Current Quarterly EarningsA:Annual Earnings IncreasesN:Newer Companies、New Products、New Management、High off Properly Formed BasesS:Supply and DemandL:Leader...

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『チャプリンが見たファシズム 喜劇王の世界旅行 1931-1932』(大野 裕之著、中公選書、2024年7月10日発行)

1931年2月~1932年6月までのチャップリンの世界旅行の顛末記。なかなか面白い。

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『ヤバい統計 政府、政治家、世論はなぜ数字に騙されるのか』(ジョージナ・スタージ著、集英社、2024年1月31日発行)

イギリスの話。データを重視する発想の源は17世紀から18世紀にかけてヨーロッパで興った啓蒙主義。それまでは世界は神秘的な謎と考えられていた。ありとあらゆる物事についてデータが存在し、手に入れられると思い込む傾向がある。英国では居住者に関して一元的に管理された記録がない。2011年の国勢調査で英国の人口が推測より50万人多いということが分かった。架空の犯罪人リストを英国の裁判官81人に見せて各被告人の...

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『進撃のドンキ 知られざる巨大企業の深淵なる経営』(酒井 大輔著、日経BP、2024年8月5日発行)

ドンキの秘密はメイトとよぶアルバイターが頑張っているところにあるようだ。なぜそうなるかというと権限移譲にあるらしい。大幅な自由裁量権を与える。一方で、成果を上げた場合は昇格・昇給で報いる完全実力主義。『源流』という経営の哲学書を共有する。 

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『AI覇権 4つの戦場』(ポール・シャーレ著、早川書房、2024年5月25日発行)

アルゴリズム戦横断機能チーム(プロジェクト・メイブン):2017年4月設立承認。迅速に行動、テック企業を活用、無人機動画から学習用データセットを作成、2017年末にイラクとシリアで反ISIS作戦を支援していた軍の情報部隊にAI目標分析システムを実戦配備した。AIセキュリティ機械学習システムを打ち負かす方法。AIの画像認識に対する敵対的攻撃。敵対的物体かステッカーでAI自動運転車が交通法規に従わないよ...

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『物語 パリの歴史 「芸術と文化の都」の2000年』(福井 武彦著、中公新書、2021年8月25日発行)

古代ローマ時代にシテ島がガリア統治の最前線となった。交通の要衝。ローマ支配時代の遺構、遺物が残っている。パリのあたりは人間活動に恵まれた地であり。ケルト系、ラテン系、ゲルマン系諸集団が相互交流した。諸文化の出会いの地。パリはカペ朝(987~)のおひざ元。1112年に王都の特権を得る。12世紀初頭、フィリップ2世がパリの王都整備に意欲。教師と学生の共同体に認可。パリ大学の元。セーヌ川はパリ市に東から流...

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『エクソダス アメリカ国境の狂気と祈り』(村山 祐介著、新潮社、2020年10月15日発行)

アメリカとメキシコ国境。壁を越えるのは、メキシコ人だけではなく、中米、アフリカ、インドからの移民も。サンティエゴの南、メキシコのティファナ。二つの都市は人口500万人の一つの経済圏だが、壁で区切られている。16年11月米国大統領選でトランプが移民対策として掲げる。国境の壁の建設が始まったのは1989年。1994年1月1日の北米自由貿易協定(NAFTA)発効でメキシコの農業が崩壊した。結果、メキシコか...

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『物語 メキシコの歴史 太陽の国の英傑たち』(大垣 貴志郎著、中公新書、2008年2月25日初版発行)

メキシコシティは標高2000メートル以上の高原地帯。可耕地面積は国土の15%。ティオティワカン:メキシコ高原、紀元前後から7世紀、マヤ:紀元3世紀~9世紀、アステカ帝国:15世紀(室町時代)に栄えた。1521年からスペイン帝国の支配下にはいる。19世紀初め人口600万人、6万人がペニンスラール(本国人)、100万人がクリオージョ(スペイン人の両親から生まれた白人)、60%が原住民、20%メスティソ(...

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『サイバースペースの地政学』(小宮山 功一朗、小泉 悠著、ハヤカワ新書、2024年6月25日発行)

都心から1時間以上かかる、千葉ニュータウンはデータセンターのメッカ。・エンタープライズデータセンター・ハイパースケールデータセンター クラウドサービス事業者が自ら設計し、運用する・キャリアホテル...

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『従属の代償 日米軍事一体化の真実』(布施祐仁著、講談社現代新書、2024年9月20日発行)

尖閣諸島防衛のため奄美大島、沖縄本島、宮古島、石垣島に自衛隊の地対艦ミサイル部隊配置、今年4月に南西の壁が完成した。今後、米軍と一体化した指揮・統制下に入り、台湾有事への備えに変質する。2023年3月石垣島に石垣駐屯地が開設され、我が国国防の最前線となった。12式地対艦誘導弾、03式中距離地対空誘導弾の発射機が置かれるミサイル要塞となった。12式地対艦誘導弾の射程は200キロで現在は台湾にも届かない...

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『海の地政学 覇権をめぐる400年史』(竹田 いさみ著、中公新書、2019年11月25日発行)

米国の海洋パワーは捕鯨から。1776年独立宣言。19世紀初頭から貿易船と捕鯨船を守るために世界中に小規模な戦隊を覇権。19世紀中ごろからは太平洋での捕鯨(鯨油)が活発に、1860年代~1870年代に灯油が登場して捕鯨は衰退。ペリー来航は捕鯨船の拠点確保の目的もある。第1回目は1852年11月24日アメリカ東海岸ノーフォークを出発、1853年7月8日浦賀沖に投錨。7か月。太平洋北部は海洋覇権の空白地帯...

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『南シナ海問題の構造 中越紛争から多国間対立へ』(庄司 智孝著、名古屋大学出版会、2022年1月15日発行)

2024/10/20読了。千代田図書館から借りた。ベトナムとフィリピンとASEANの南シナ海問題へ対応の変遷を整理してる。中国政府の悪質さが印象的:隙あらば南シナ海の島を占拠、既成事実化する機会主義ぶり。約束を守らない嘘つきぶり。  

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『南シナ海で何が起きているのか』(山本 秀也著、岩波ブックレット No. 956、2016年8月4日発行)

中国が九段線という条約上の根拠が不明確な境界線で南シナ海をすっぽりと囲み、「中国は南海諸島およびその周辺海域に対し、争う余地のない主権を有する」と主張した。ハーグの国際仲介裁判は2016年7月12日中国の南シナ海での主張を全面的に退ける国際司法の判断を下した。中国の行動の大本には大一統という中華帝国の伝統的な天下観がある。経済力と軍事力を備えるにつれて中国の主張がより高圧的になっている。 

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『「エブリシング・バブル」リスクの深層』(エミン・ユルマス、長濱利廣著、講談社α新書、2024年9月18日発行)

世界の中央銀行が利上げするなか、日銀は金融緩和を続け、最後に利上げする。すると直後に金融危機が起きる。米国経済は日本の6倍以上だが、マネーの供給量は日銀の方がFRBより大きい。(p.19)米国債の大きな買い手は日本しかいない。中国は買わない。FRBは量的緩和終了。一方で、米国債の発行は増えている。バイデン政権はばらまき政策でアメリカの財政赤字は急速に悪化している。(pp.20-21)イエレン財務長官...

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『金利を考える』(翁 邦雄著、ちくま新書、2024年10月10日初版)

いままで読んだ金利についての本の中では一番面白くお薦め。しかし、この本を読むと経済学者というのは実際の社会経済、実社会については子供レベルの知識しかないのではないか?という印象を受けてしまう。金利は儲ける機会の大きい経済では高くなり、成長機会の少ない経済では安くなる。ヒックスは金利は貸し倒れリスクに対するプレミアムという。借りた金が返済されるか不確実。借り手と貸し手に情報の非対称性があるため、金利は...

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『西洋の敗北』(エマニュエル・トッド著、文藝春秋、2024年11月10日発行)

前書きより西洋の敗北とは、宗教面、産業面、道徳面における西洋自身の崩壊のプロセスである。二つの西洋。①アメリカ、イギリス、フランスの三大自由民主主義国。②それにドイツ、日本を加えた経済的近代の西洋、広義の西欧。ドイツ、日本は権威主義的傾向がある。対ロシア制裁はヨーロッパ経済をストレス状態に陥れた。フランス政治の危機はこの戦争が引き起こした大衆層の生活水準の低下にある。戦争に関する10の驚きウクライナ...

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『世界争乱2024 揺れる世界をフランスから見る』(広岡裕児著、中央公論新社、2024年4月10日発行)

2022年2月24日ロシアのウクライナ進攻前後のフランス・マクロン大統領の行動。ゼレンスキーの勇気。欧州の過去の戦争では政府は亡命することが多かったが、キーウに留まって徹底抗戦を呼びかけた。EU正義派はバルト3国と東欧(ハンガリーを除く)、及び北欧諸国。和平派はフランス、ドイツ、イタリア、ベルギー、ギリシャ、オーストリアなど。プーチンの行動は民主主義、法の支配を踏みにじるという。6月23日ウクライナ...

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